運転中の疲労感の原因は?
長時間にわたって自動車の運転をしていると、身体的に疲れを感じることがあります。
運転に集中している上に、ずっと同じ姿勢でいるのですから、疲れを感じるのは当然のことかもしれません。
疲れは注意力や判断力を鈍らせるため、事故のきっかけになることもあります。
そのため、運転はある程度の休みをとりつつ、行わなければならないことは皆さんもご存知かと思います。
しかし、長時間運転しているわけでもないのに、運転するとすぐに疲れてしまうという方も多くいます。
そのときの原因として考えられるのは、普段の疲れがたまっていたり、体調がそもそもあまりよくないといった身体的問題と、車の乗り心地の問題です。
ここでは、乗り心地の改善について述べていきます。
運転中に座るシートを見直す
乗り心地を考えるときに、まず考えなければならないのは、自動車を運転する際にドライバーが座るシートの対策です。
根本的な改善策ですが、乗り心地に大きな影響を与えます。
そもそも、自動車の揺れや振動といったものを感じるのは、私たちドライバーのお尻の部分です。
ここを改善するだけでも不快な振動を感じにくくなり、乗り心地も良くなります。
シートそのものを替えるとなると、お金もかかりますし、時間もかかります。
そのため、乗り心地を今すぐに改善したいという方は、まずは、座面にクッションを敷くのが効果的でしょう。
シートから伝わる振動を抑えてくれるので、これだけでも大分乗り心地は改善されます。
安いものでも良いので、自分のシートやお尻にフィットするクッションを購入し、それを敷いた上で運転してみましょう。
クッションにはいくつかの種類がありますが、やはりスポンジが最も振動を吸収しやすいとされています。
しかも厚手のものほど吸収力が高いため、購入する時には指でつまむなどして、スポンジの厚さや反発の具合を確認するのがおすすめです。
またスポンジと言っても色々な材質があり、最近はウレタンフォームを使ったクッションにも注目が集まっています。
液体を化学反応させることで作るウレタンフォームは、スポンジの中でも適度な固さを作り出せるのが特徴です。
これは振動の吸収に効果的なだけでなく、運転中の姿勢を保つのにも役立ってくれます。
柔らかすぎると乗りにくいと感じるなら、適度な固さを持つウレタンフォームのクッションを選んでみましょう。
路面の振動軽減はタイヤを見直す
走行中の自動車が振動するのは、路面の膨らみや段差を通るときの衝撃を拾っているからです。
砂利道の上を走ることを想像すればわかるように、路面が平坦でないと振動がひどくなり、運転中の乗り心地も当然悪くなります。
路面からの振動を最初に拾っているのはタイヤです。
つまりタイヤに改善策を施せば、車内に振動が伝わるのを防げるようになります。
乗り心地だけを優先し、タイヤの衝撃吸収を考えるのでれば、静粛性能に優れた製品へ交換するのが最も効果的です。
メーカーはこれまでグリップ力や燃費と言ったものを重視してタイヤの開発を行ってきましたが、ここに来て静粛性への最適化も見直されており、静かな走行を実現してくれる新製品も多く登場しています。
静粛性を重視したタイヤは、路面にある突起を乗り越えるときでも揺れが少なくなっています。
さらにタイヤの中には音を吸収するスポンジが搭載されているものがあったりするなど、
路面を走行中に拾うパターンノイズやロードノイズといったものをさまざまな工夫で低減してくれます。
こういった車内への音の伝わりを防ぐための工夫は各メーカー違いますので、タイヤを購入する際にはぜひ注目しておきたいポイントと言えます。
ここまではタイヤをまるごと替えることを前提に書いてきましたが、タイヤを替えるだけがすべてではありません。
中に入っている空気の圧力を調整するという方法もあります。
こうすることで振動が車内まで伝わりにくくなるのです。
ご存知のようにタイヤの中には空気が入っています。購入したての状態であれば空気圧も適正な状態ですが、バルブをしっかり締めていても時間が経つに連れて少しずつ漏れ、空気圧が低下してしまいます。
空気圧の低下はタイヤの走行性能を悪くし、回転に偏りが生じることで振動を発生させます。
高速道路のように平坦な路面を走っているのに振動がある場合は、タイヤの空気圧が適正でないことがほとんどです。
空気圧が適正でないとホイールにも影響を与え、新たな振動を発生させてしまいます。
これを防ぐには、定期的にタイヤの空気圧をチェックして正しい値を維持することです。
空気を入れる道具はガソリンスタンドやタイヤショップなどに置かれているので、できれば1ヶ月おきに訪れて整備しておくのがおすすめです。
さらにタイヤの状態を確認してもらうようにすれば、摩耗の偏りも発見することができ振動の発生を防ぐことに
つながります。
タイヤ以外の足回りの不具合も乗り心地悪化の原因に
走行中にタイヤが拾ったノイズや振動は、足回りの部品を伝わって車内に入ってきます。
タイヤそのものを替えたり、空気圧を適正にしたりする以外にも、足回りの部品を別の製品へ交換したり調整することも、乗り心地の改善に効果があります。
タイヤからの振動を直接吸収しているのは、サスペンションと呼ばれる部品です。
サスペンションは振動を吸収してくれますが、パーツや中に入っているオイルが劣化すると、サスペンションの効果が弱くなってしまいます。
ある程度の距離を走った自動車なら、サスペンションの点検を依頼してみましょう。
オイルだけでなく各部に使われているパーツの緩みなどもチェックしてくれるので、思わぬ振動を解消することが
できます。費用的に余裕があるなら、振動を吸収する性能の高いサスペンションに交換する方法もおすすめです。
足回りの交換はお金がかかるものの、効果が出やすい場所でもあるので実践する価値があると言えます。
足回りの不具合が起こす振動は他にもあり、ベアリングやボールジョイント、プロペラシャフトといった箇所もその原因となります。
これらのパーツは交換するとなると大掛かりな作業が必要で、修理代金も高くなってしまいますが、簡単な調整であれば費用は安く作業もすぐに済みます。
振動が車体の下から聞こえてくることを整備工場に伝え、チェックしてもらうと良いでしょう。
長い距離を走った自動車はもちろん、新車でもこうした場所から不具合が起きて振動となるケースは多くあります。
原因が足回り自体にある場合は、他の場所を交換しても乗り心地はなかなか改善できません。
その意味でも整備工場に調べてもらうのは改善策としても高い効果が期待できます。
アライメントやタイヤバランスの不具合も、自動車の乗り心地を悪くする原因です。
走行中に大きな段差に乗り上げてしまった時など、アライメントが狂うことはよくあります。
そのままの状態で走行するとタイヤやサスペンションの位置がずれているため、どうしても振動が発生してしまいます。
アライメントが悪い状態で走るとタイヤにも負荷をかけ、偏摩耗を起こして新たな振動を発生させます。
これらの不具合も、自動車整備工場やタイヤショップで見てもらうことで改善できます。
この種のトラブルは車内全体というよりもハンドルへの振動として伝わってくるので、原因を見分けるのは簡単です。
一定速度以上の高速で走行している時ハンドルがブレるなら、アライメント関連の不具合を疑いましょう。
振動を起こしている箇所によっては他の部品へ影響を与える可能性もあるため、トラブルを大きくしないためにも早期点検をおすすめします。