そもそも燃費とは?
クルマの燃費性能を現す数値として、自動車のカタログなどにはJC08モード燃費が表示されています。
JC08モード燃費とは?
自動車の燃費測定方法のひとつで、10・15モード燃費に変わる新しい測定方法です。
カタログ上の燃費と、実際の燃費の差が大きすぎることが問題視され、実際の燃費により近づけるために2011年に採用されることになりました。
(2018年より、新測定方法としてWLTPに移行が決定しています。)
しかし、JC08モード燃費を導入しても、実際の燃費よりもカタログ上の燃費は、2~3割良い数値となってしまいます。
そのため、カタログ上の燃費よりも実際の燃費が2~3割程度悪くても、実は許容範囲なのですが、それ以上に燃費が悪くなってしまう場合は、他に何か原因がある可能性があります。
燃費を悪くする原因は?
クルマの燃費を悪くする原因は、機械的な原因と運転状況が原因となっている場合と大きく二つの原因が考えられます。
機械的な原因
1. エンジン
機械的な原因に関しては、まずエンジンの寿命があります。
長年使い続けていくと、エンジンも色々な箇所に不具合が生じるようになり、それが元になって燃費が徐々に悪くなっていきます。
経年劣化による燃費の悪化は、ある程度仕方がないものとして割り切る必要があります。
このような経年劣化による燃費悪化を少しでも防ぎ、少しでも長くコンディションの良い状態を維持するためには、エンジンオイルとフィルターをきちんと定期的に交換することが大切です。
エンジンオイルとフィルターは、エンジン内部のごみや不純物などを除去するために使われるもので、5~6000km程度走行するごとに交換すると、エンジンをベストな状態にキープすることができます。
フィルターはエンジンオイルでからめとった不純物をろ過し、除去するためのものです。エンジンオイル交換の2回に1回の割合でフィルターも同時に交換します。
もし、フィルターが不純物でいっぱいになってしまうと、エンジンオイルはフィルターを素通りしてしまうようになり、機能を果たせなくなってしまうので注意が必要です。
また、できる限りエンジンを労わるようにしてあげることも大切です。
エンジンの経年劣化は燃費に大きく影響してきます。
劣化は防ぐことができませんが、劣化を緩やかにすることはできます。
たとえば、極端に負荷がかかるような激しい運転を避けたり、スタート前には暖機運転をしたりなどです。
近距離ばかり走っている人は、たまには長距離のドライブをするなどによって、エンジンの寿命を延ばすことができます。
2. タイヤ
タイヤの空気圧が減ることも、燃費に大きく影響してきます。
タイヤの空気圧が減ると、転がり抵抗が高くなってしまい、燃費が悪化します。
近年、車検のCMなどでタイヤの空気圧チェックなどがうたわれるようになりましたが、
それでもタイヤの空気圧チェックは一般には浸透しきっていません。
時々目視でタイヤの空気が減っていないか確かめたり、時間がある場合は計測器を使って空気圧をきちんと測定すると安心です。
ガソリンスタンドで従業員に頼めばすぐに空気圧を図ってくれるでしょう。
自分でもガソリンスタンドにおいてある空気入れを使って空気圧をチェックすることができます。
また、空気圧以外にもタイヤの種類によって燃費が悪くなってしまうことがあります。
純正のタイヤはそのクルマにあったものが装着されていますが、純正タイヤを交換するときは慎重に選ぶ必要があります。
低燃費タイヤに交換すれば燃費性能がアップする可能性がありますが、逆にタイヤの幅を広くしたり、グリップ性能が高いスポーツタイヤなどに交換すると燃費が悪化する可能性があります。
3. エアコン
また、タイヤと同様に身近な燃費悪化の原因としてエアコンが挙げられます。
エアコンを使うと燃費は大きく落ち込んでしまいます。
これはエアコンを動かすための動力源としてエンジンの動力を使っているからですが、エアコンを稼働させると、平均10%程度の燃費が悪化します。
ハイブリッド車の場合、通常はハイブリッド用のバッテリーを使ってエアコンを動かしているので、燃費が悪化することはありません。しかし、バッテリーの残量が減ってくるとバッテリーを充電するためにエンジンが自動的に動きだすので、燃費は悪くなってしまいます。
これらのほかにも、たとえばスパークプラグが古くなって燃費が悪くなることがあります。
スパークプラグはエンジンを燃やすために火花を出す装置ですが、古くなって正常に機能しなくなると、燃料がしっかり燃えなくなってくることがあります。
パワーが出ないのでアクセルを通常よりも踏みこむようになり、結果的に燃費が悪くなってしまいます。
6気筒のエンジンなどではプラグが一本ぐらい調子が悪くても気がつかないことが多いようです。
人為的な原因
エンジンやタイヤ、エアコンといった機械的な原因以上に大きな原因となりうるのは、実はドライバーの運転方法です。
端的に言えば、燃費の悪い運転をしているということです。
1. アクセルの踏み方
最も大きな燃費悪化の原因となっている運転方法が、アクセルの踏み込みすぎです。
アクセルを強く踏み込めば、パワーが出て、気持ちの良い加速を味わうことができます。
しかし、アクセルを強く踏み込めば踏み込むほど、つまりアクセルの開度が大きくなるのに比例して、燃料は多く消費されることになります。
たとえば、普段からクルマが止まっている状態から発進させるときに、背中がバックシートに押し付けられるような加速を行っているとすれば、当然燃費は悪くなります。
重たいクルマを動かすだけでも大きな力を必要します。
その上スピードをつけて加速しようとすると、エンジンには相当の不可をかけることになります。
つまり、ガソリンを大量に使って、大きなパワーを引き出す必要があるということです。
本来燃費が良いはずの軽自動車でも、勢いよく発進していれば、あっとう言う間にガソリンが減ってしまうことでしょう。
これを防ぐためには、発進時には極力スピードを抑えて、ゆっくり発進することが大切です。
少し、じれったくなるくらいが燃費にはとても良いのです。
ある程度スピードが出て来れば、アクセルを少し踏み込んでも発進時に比べるとそれほど燃費が大きく落ち込むことはなくなります。
2. アイドリング
また、クルマを停車させた状態でアイドリングを長く行っていると、想像以上に燃費が悪化することがあります。
クルマを停車させた状態でアイドリングを行っているときというのは、
多くの場合、炎天下の中暑いのでエアコンをかけていたり、冬場は寒くて暖房をかけていたりします。
すると、単にエンジンをかけている状態以上にガソリンを消費することになります。
アイドリングは無駄なガソリン消費となるので、できる限りしないように心掛けることが燃費の点でも、
また地球温暖化を防ぐためのエコの観点からも大切なことです。
まとめ
このように様々な機械的な原因や運転の仕方が原因となり、クルマの燃費に大きく影響を与えます。
その中には、どうすることもできないものありますが、改善することで燃費悪化を抑えることができることもたくさんあります。
燃費を意識するかしないかは各々の自由ですが、もし少しでも燃費を良くしたいと言うことであれば、色々な改善の余地があります。
自分なりに工夫してみると良いでしょう。