オービトロン ターミナルボルトとナットが完成です!

バッテリーターミナル用のボルトとナット

先日ご覧いただいたボルトとナット。バッテリー用のターミナルボルトです。導電性の高い無酸素銅に、更に特殊な硬質導電性銀メッキをかけました。そしてオービトロン処理を加えて完成です。無酸素銅で作られたボルトとナット、しかもロングタイプはどこを見渡してもありませんでした。ならば自分たちで作ってしまおうと。無いものは作る、やるなら徹底的に、というのが基本的な考え方です。

 

バッテリーターミナルのナットは外れない

現代の車両のバッテリーターミナルのボルトは、ナットの脱着ができないようにロックされています。緩めることはできますが、外すことができません。外してしまうとネジが馬鹿になり、再装着不能です。このため、パワーモジュールやマイクロリアクターの圧着端子を先割れにしたり、ニッパーでカットして取り付けしていましたが、作業がどうにもきれいではありません。そこでこのボルトとナットです。一般的なM6サイズの四角ボルトを長くし、アーシングやその他機器の装着にも対応出来るようにしました。ナットもロングタイプで、工具が斜めになってもしっかりと締め込みができます。残念ですが、今のところは特殊なM8のタイプには対応していません。お客様の要望が多くなれば製作したいと考えています。

 

金属の導電性は

さてここで金属の導電性についてお話しをします。ここはやはり導電性の高い金属を使いたい。一般的に銅の部品といえばリン青銅になります。しかしリン青銅は導電性がアルミよりも落ちます。アルミも導電性は高い方ですが、軽さとコストで使用されることが多いですね。やはり銀や銅に比べてかなり効率が落ちます。それから導電性が高いと思っていた金は、意外と低いのです。

金属の種類 電気伝導率
105.7
純銅(無酸素銅) 100.0
75.8
アルミニウム 59.5
亜鉛 28.4
真鍮(黄銅) 26.0〜43.0
リン青銅 25.0
ニッケル 24.2
17.5
14.6
8.1
チタン 4.0

 

純銅と銀メッキを使った理由

圧着端子は純銀で製作しましたが、コストの問題でさすがに純銀で作るわけにはいきません。しかし純銀に迫る導電性の高い無酸素銅で作り、効率をあげるために硬質高導電性の銀メッキを施しました。全ては性能のためです。

 

ただのボルトとナットを作っただけではありません

導電性が上がるとエネルギーが移動する際のノイズが消え、高効率で伝達することが可能になります。また、エネルギーのバッファー機能を持ち、オービトロン製品の出力を向上させたりパワーを安定させたりします。そしてこのボルトとナットにはオービトロン処理を施します。これらの要素が、車両の性能を向上させます。既にバッテリーのオービトロン処理が実用化の段階に入り、商品化が近づいています。今回のオービトロン ターミナルボルトとナットは、それらとあわせてトータルで自動車の性能向上を目指すことになります。

 

発売はもう間もなくです!

現在、価格を検討中です。それからもう少し実験で検証したいこともあります。来年早々には発表できると思います。