オービトロン潤滑剤の開発経過

オービトロン潤滑剤の開発は最終段階になって来ました。現在のところSTD、SPL1、SPL2、グリスの4種類の製品化を検討しています。STDは一般向け汎用品、特殊モデルのSPL1は粘度が低く、SPL2はそれよりも粘度がやや高いもの、そして特殊用途のグリスです。既に廃盤になっているある有名な潤滑剤と同じか、それ以上の性能を主眼に開発を進めてきました。一般的には潤滑油の特性は、粘度が高くなればなるほど潤滑性や極圧性も上がって行きますが、逆に抵抗が増えていきます。また極圧性の高い潤滑剤には、塩素系、燐系、硫黄系の極圧剤が使用されていたり、モリブデンが配合されていることが多いのですが、それらには問題点があり、当社では使用していません。厳しい条件の中で、できるだけ低粘度で、高潤滑・高極圧の潤滑剤を作るという、相反する課題に取り組みました。そして目標としていた潤滑剤を遙かに超える能力に仕上げることが出来ました。製品化直前まで来ましたので、いくつかの動画にまとめました。

 

 

この動画は、開発中の潤滑剤と比較対象とする潤滑剤の極圧性試験です。テストピースにはSUS403を使用しています。当社の試作品がどれだけの極圧性であるか、比較でわかるようにした動画です。最初の比較製品3点は極圧剤が含まれています。当社の試作品には極圧剤は含まれていません。

 

 

続いてグリスもテストします。テストピースはSUS403です。グリスの極圧性に関しては、文句なしだと思います。当社の試作品のグリスには、当然のことですが極圧剤は使用していません。

 

 

さて、潤滑性や粘度の確認のためにベアリングを大量に取り寄せました。NSKの深溝玉軸受 開放型の6203C3です。製品には油脂が付着していますので、パーツクリーナーで脱脂しました。脱脂前と脱脂後のベアリングの回転状況の変化をご覧ください。抵抗の違いがこれだけあります。

 

 

ここでベアリングの転がり試験を行いました。ベアリングはすべて届いたばかりの新品を脱脂したものです。先の動画で極圧性の試験をしたものは改善点がありましたので、新バージョンと旧バージョンがあります。またSPLに関しては低粘度の1とそれよりもやや粘度のあるSPL2を加えました。最後のベアリングはミニ四駆でよく使用されている潤滑剤です。

 

 

粘度の違いについて比較してみました。極圧性の高い比較製品と、当社のSPL1とSPL2の流動性比較です。粘度が低くて流動性が高いのに、極圧下でも高い耐久性があり、そして潤滑力を持っています。

 

 

これが完成間近のオービトロン潤滑剤です。テストピースはSUS403です。極圧剤を使用していないのにもかかわらず、高い極圧性を示します。最後はミニ四駆でよく使用されている潤滑剤です。一瞬で終わってしまいました。ミニ四駆では効果があっても、荷重がかかると途端に潤滑機能が破綻します。

 

さて、これから配布用のテストサンプルを製造し、いくつかのお取引様や当社がスポンサードしている選手にお送りします。商標の関係が整っていませんので正式販売までには時間がかかります。また販売までにコツコツと開発を続けます。コスト計算もこれからです。有償になりますが試験的に当社提携のオービトロンプロショップAtelier dBさんで施工出来るよう手配しています。施工に関しては各種制限や制約がございますのでご理解ください。

 

Atelier dB 横浜市戸塚区小雀町2032-2 TEL:045-392-6935 

 

オービトロンとは、自動車やオートバイの静電気を中和・減少させることで、走行中のフリクションを低減する技術です。 車やバイクを 今よりもっとワクワク楽しく! ランドマスターは、静電気低減の特許技術を使ったカスタムパーツ「オービトロン」の開発メーカーです。