オービトロンの静電気中和の仕組みって?

 

・静電気はなぜ起きるのだろう

物体はマイナスとプラスの電気を持っています。マイナスとプラスがバランスを保って安定していれば、電気の動きはありません。しかし摩擦が起きたり力が加わることによって、動きやすい性質の「マイナスの電気」が物体から移動します。そのことでプラスの電気とマイナスの電気のバランスが偏り、どちらかが増えてしまいます。この状態を「帯電」と呼び、多くなった「プラス電気」は「マイナス電気」と結合しようとします。結合する瞬間に電流が流れ、静電気の「放電」が行われます。

 

・乾燥していると静電気は発生しやすい

湿度が高いと静電気は少なくなります。電気を帯電していても、湿度が高い時は空気中に水分が多いので、空気中の水分を通して電気は逃げます。一方、湿度が低い時は空気中に水分が少なく、電気を流す逃げ道が減ります。そのため物体に電気がたまりやすく、金属に触れた際などに一気に放電されるというわけです。よくある静電気防止スプレーは「界面活性剤」が含まれていて、水分を引き寄せるという性質があります。水分があることで、電気が逃げやすくなるんですね。

 

・飛行機も帯電している

飛行中の機体表面は空気や水滴、塵等との衝突や摩擦により帯電します。機体に静電気が発生すると放電する際に電磁波が発生し、電子機器に障害が発生するリスクが高まります。このためスタティック・ディスチャージャーと呼ばれる細長い棒状の装置で、静電気を空気中に逃がしています。これはコロナ放電という仕組みを利用しています。自動車の静電気が走行時に悪い影響を及ぼしているという考えで、静電気対策の自動車のカスタムパーツが増えていますが、これらはまさしく静電気を逃がす仕組みです。

 

・ではオービトロンは?

今までの静電気対策は放電という仕組みを利用しています。オービトロン フリクションフリーシステムがやっつけている静電気はこのような数千ボルトや数万ボルトの静電気では無く、数ボルトや数ミリボルトの微弱静電気です。微弱静電気って大したことないよねって思うかも知れませんが、実は車への影響は高電圧の静電気同様、見過ごすことが出来ないものなのです。 エネルギー量の大きな高電圧の静電気は、「放電」という方法で逃がすことが出来ますが、数ボルトや数ミリボルトのエネルギー量の小さな静電気はこのような方法では簡単に逃げません。例えば車のボンネットをきれいに洗ってピカピカにワックス掛けしたとしましょう。ここにバケツの水を思いっきりかけると、ボンネットの上には残らず、きれいに下に落ちてしまいます。これはエネルギー量が大きいからです。今度は霧吹きで水をボンネットにかけていきましょう。すると、太陽の光で乾燥するまで、水滴はそこに残っています。これが小さいエネルギーです。水滴がまとまると筋になって下に落ちていきます。これは細かい水滴の状態からエネルギーが大きくなったからだと言えます。静電気に話を戻すと、微弱静電気はエネルギー量が小さいので、それが大きくならない限り「放電」では逃がせません。

ではどうしたらよいのでしょうか。そこで登場するのがオービトロン フリクションフリーシステムです。 オービトロンは電子を発生させます。パワーモジュールの場合、バッテリーのマイナスターミナルから電気の流れに逆行して、ゆっくりと車体を巡っていきます。ここでプラスの微弱な静電気と結びついて、消していくのです。発生した静電気を逃がす放電と異なり、大きくなる前に消し去ってしまうのがオービトロン フリクションフリーシステムの静電気中和技術です。パワーモジュール以外のオービトロン製品は、その部分に限定的に影響を与えます。パワーモジュールはセンターデバイスとして車体全体の静電気を中和してコンディションを整えます。部分的に使用するオービトロンは、その部分を重点的に改善します。パワーモジュールがあることによって車体全体のコンディションは良くなりますから、部分的に効果を及ぼすオービトロンも、相乗してより高い性能が期待できます。