オービトロン パワーモジュールの効果

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オービトロンの開発をしていて気が付いたことがあります。

アクセルをOFFにして感じる減速効果の変化です。

減速するのは単純にエンジンブレーキだと思っていました。

オービトロンを車両に装着すると、前に進む力だけでは無く、エンジンブレーキが緩和されて減速効果が少なくなります。

つまり、アクセルをONにするとフリクションに勝って前進し、アクセルをOFFにするとフリクションに負けて減速することになります。

 

写真のパワーモジュールX12Rの6倍の能力を持つパワーモジュールを製作し、テスト用のYAMAHA YZF-R1に装着しました。

ストレートで減速するだけならば、何も問題はありません。

しかし、ストレートからコーナーに入っていくような最高速域からの急減速では、状況が異なります。

通常は急激なバックトルクがかかるために、コーナーアプローチの車体制御が難しくなり、アクセルを戻せない状態になります。

そのため、アクセル全閉の状態でもインジェクターからは燃料が噴射されています。

この領域ではバックトルクを制御するシステムでも対応しきれません。

ところがこの試作品では、スロットルマップがゼロの状態(全く燃料噴射を行わない)にしても、アクセル全閉が可能になりました。

 

この効果はHybrid車や電気自動車などのモーターで駆動する車両でも有効です。

オービトロン パワーモジュールはここにも活用の場を見つけました。

電気自動車でテストしたところ、アクセルをOFFにして回生ブレーキを使って減速する場合、指定した位置では停止することができません。

フットブレーキを使う必要が出てきました。

これは、フリクションの低下によって減速効果が減ったためと考えられます。

回生ブレーキのパラメータを変更し、より強く回生させることにより、減速効果は得られるようになります。

つまりアクセルオフの際の回生量をより増やすことが可能になるのです。

特に電気自動車で走行距離を伸ばす鍵は、蓄電池の高効率化と回生量をどのようにに増やしていくかです。

オービトロンは、電気自動車の未来に向けても開発を進めていかなくてはなりません。